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アリファリング No.7 Necessary peace

2010年02月17日 21:22



「さて、必要な物はあらかた揃ったし、そろそろ行く?」

「私はいつでもいいわよ」

「それでさ……」


 

 そこでフェイルは少々気まずそうにアリファを見つめた。アリファが疑問気な顔を浮かべると、額を人差し指でポリポリと掻きながらフェイルは呟いた。


「一人一緒に連れて行きたい奴がいるんだけど、いいかな?」

「別にいいけど?」


 アリファの存外気にしていない様子を見てフェイルはホッとした。なにしろ、つい先刻出会ったばかり故細かい性格等が把握出来ていないのだ。


「ならよかった。ヨシア=ロダンっていうんだけど、俺と同い年で中々頼もしい奴だからさ、いると安心出来るし」

 実際、フェイルにとってアリファとの二人旅も捨てがたくはあったが、何が起こるか分からない上、世界の存亡に関わる以上、私欲等と悠長な事をいうわけにもいかなかった。


 フェイル達は民家を後にすると、ヨシアの住む民家へと向かった。ヨシアはフェイルと違ってごく一般的な民家街に住んでいるので、街中を二人は通る。

 道中、民衆にやたらアリファが見られる事にフェイルは不安を覚えたが、すぐにそれは黒翼の存在が悟られたというわけではなく、フェイルにつり合わぬアリファの美貌に対する眼差しであったことは、民衆の会話から把握出来た。


 むしろフェイルはつり合っていないと言われている事に憤慨さえしていた。アリファは満面の笑みを浮かべていたが。



 暫し道中を歩いた末、二人は一軒のボロ民家に辿りついた。

「どうして立ち止まるの? 急いで行きましょ」

「ここだよ」


 アリファは思わず目を丸くした。それもそのはず、フェイルの指した民家は屋根も所々に穴が開き、壁にも亀裂が入っていた。今にも崩れそうという形容が相応しいその家に人が住んでいる等誰が考えようか。


「あいつも親が早くに死んで貧乏暮らしだからな、しょうがないのさ」

 そう言ってフェイルは手馴れた様に、ノックもせずに鍵のかかっていないドアを開いた。アリファは驚きながらフェイルの後ろにくっついて家内へと入ると、真っ先に綿の飛び出たソファにだらしなく座っている男の姿が見えた。


 短髪だがボサボサの緑髪、藍色の丈が長いシーパンに緑の的模様がプリントされた黒いティーシャツ。清潔だとはとてもいえない不甲斐なき風貌。


「おぅ! フェイルか……って、誰だその超ウルトラメガトン級のベッピンは!?」

「話せば長くなるんだけどさ……」




 フェイルは先刻秘境で起こった事の全てを事細かにヨシアに話した。最初はまともに話を聞いていなかったヨシアも事の重大さを悟ると真剣に聞き入っていた。

 その様子を見てアリファはヨシアが芯のある人間だと理解する。


「なるほど……要するに、アリファはその身に世界に天災を与えかねない悪心を持っていて、お前はその悪心を葬りにアリファと一緒に向かう。だが危険が伴わないとも限らない旅だから俺にもついてきて欲しいと」

 フェイルはコクリと頷いた。


「なんかファンタジーちっくだな。それに黒い翼とか萌えすぎだろ!」

 ヨシアはアリファにローブを脱いでもらい、黒翼を見せてもらうと一層興奮したように叫んだ。


「やべえなおい! 格好良すぎだろ、痺れるぜこりゃ!」


 一見ぶっきらぼうな発言だが、この発言を通してアリファはヨシアに好感を持った。フェイルに続く二人目だ、悪心の話を聞いても、黒翼を見ても動揺しなかったのは。アリファはこの時、ヨシアとも距離を置く事なく共に旅が出来ると確信した。



「それでヨシア、俺達と一緒について来てくれるか?」

「いいぜ、困った時はお互い様だし、今回は世界も関わってるんだろ? それにこんなベッピンちゃん、この俺がサポートしてやらないわけにはいかないしな」


 ヨシアのその言葉を聞いて、フェイルとアリファは同時に笑みを浮かべた。頼もしい仲間が一人増えたと思うと、喜ばずにはいられない。


「ありがとな」

「おう、準備するから待ってろ」


 ヨシアは気伸びをすると、よし。と自分に一呼吸をおいて、準備を始めた。









信頼出来る仲間。大きな旅を目前に心、強し。

次回、ヨシアの実力如何に?


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コメント

  1. みーる | URL | pMnFhmAw

    No title

    近いうちに何恥ずかしいことやってたんだ・・・
    と思うに1万賭けるわ

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