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アリファリング No.8 Expert of gun

2010年02月18日 22:51

 

 準備といってもヨシアの準備は準備と呼べる程のものでもなかった。

 ヨシアはテーブルから銃に加え、多種の弾丸の入ったホルスターを取ると、ちゃんと全ての種の弾丸が入っている事を確認し、ホルスターを腰にまいた。


「おし」

 以上。


「早いなおい」

 フェイルが余りに淡白すぎるヨシアの準備に言葉を返すと、ヨシアは「じゃあもう少し時間をとってもいいか?」と言って銃をホルスターから素早く抜き出した。

 そのまま少しフェイル達から離れると、銃を壁に備え付けられた鏡目掛けて構えた。


「充填している弾丸は六発……いくぜ」

 ヨシアは呼吸を整えた。的は鏡に映るティーシャツの的模様。ゆっくりと構えた腕を上げていき、丁度照準が的模様の中心に重なった時、ヨシアは六発の弾丸を全て打ち放った。

 フェイルとアリファは銃声に思わず耳を塞ぐが、ヨシアは発砲の反動にもまるで動じず六発を放ち終えた。


「上出来だろ、見てくれアリファ、この俺のグレートな腕前を」

「お、俺は見なくていいのな……」

 ムスッとするフェイルに対し、アリファは鏡を覗き込むと、鏡に映るヨシアのティーシャツの的模様は中心からいびつによがんでいた。弾丸は六発とも全く同じ所に的中したらしく、鏡どころか壁ごと綺麗な丸穴が開いている。


「す、すごい! 六発全部同じ箇所に撃つなんて」

「だろ、だろ!? やっぱ見る目あるなあ、アリファは。フェイルと違って」


 ヨシアが方眉を吊り上げながらホイホイと挑発する様な眼差しをフェイルに浴びせると、フェイルは頭にきたのか、それを嫌味で返した。


「そうだな、お前は俺と違うわ。なんたって最初はヘネシスの教官、ヘレナ様にマンツーマンで弓の極意を教えてもらっておきながら、ヘレナ様に告白して振られるや否や、銃に鞍替えしたんだもんな。俺には出来ないよ」


「ば、馬鹿お前っ!」

 ヨシアはアリファからの細い視線を感じて、背中を丸くした。


「参った、調子乗って悪かった」

「でも確かに銃の腕前は半端ないからな、俺だってそこを見込んでお前に頼んだわけだし」

 フェイルは高々と笑うと、それにつられてアリファもクスリクスリと笑い出した。ヨシアも溜め息つきたげに笑い出す。ひとまずの安息、ここにて訪れたり。



「んで、ルディブリアムにはどうやって行くんだ?」

 ヨシアが尋ねると、フェイルは予め考えていたらしく、すぐに言葉を返した。

「一応、リスにルディブリアム直行の便があるからリス経由で。ちなみにリスまでは徒歩な」

「そうか、なら今日はここに泊まってけ。もう夕暮れだし、行くなら朝から向かった方が、夕暮れ前には着くからいいだろ」


「そうだな、気づけばもう夕暮れか……、今日は何だか早かった」

 この時はアリファは正直、この汚い家で一夜を過ごすのかと思ったが、そこは好意故、敢えて口に出さなかった。かくして、フェイルとアリファは、新たな仲間ヨシアを加え、一夜をボロ民家で過ごした。



 その一夜の夜中、梟の珍妙な鳴き声が家内に小さく響く中、眠りにふけるアリファを確認した後、ヨシアはフェイルにアリファを起こさぬ様、声を掛けた。


「ちょっといいか?」

「ん……何だ?」









銃使い(ガンマン)は頼もしく、梟鳴く夜に何が?

次回、持たれり刃は懐に。






コメント返信


>みーるさん

そんな気持なら最初からやってないですよ (笑)
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コメント

  1. みーる | URL | -

    No title

    なら良かった
    申し訳ない事をいってごめん

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