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アリファリング No.11 Unhappiness of ten

2010年02月22日 17:15



「起きて、もう朝よ」

「もう少し……!?」


 まだ眠ろうとしていたフェイルは、僅かに目を開いたその瞬間、目を丸くした。フェイルがしかと感覚を取り戻し、その場でジタバタしている頃には事は終わっていた。

 同じくヨシアもそれを受けると、フェイル同様の反応を見せた。二人がここまで動揺したのは、目を開くとアリファの顔が寸前にあったからだ。


「あ、朝から心臓に悪い! ……というか嬉しいというか」

 ニマニマとするヨシアをフェイルは横目で見る最中、ようやく今日が旅立ちの日であるという事を思い出した。


「そっか、俺達は今からリスに向かわなきゃならなかった」

 当然の事を呆然とフェイルは言い放った。ヨシアも「だな」と一言言って頭を掻き毟る。アリファは自らの事である故、一番にやる気を持っていた。


「さあ、いきましょ!」

「流石にちょっと待ってよ……、体が完全に覚めてからでも遅くはないだろ」


 やる気満々であるアリファをフェイルが止めた。確かに万全を期さず外に出ないにこした事は無く、フェイル達は完全に体が冴えだす小一時間を深く感じ取りながら過ごした。

 扉が勢いよく開く!



「おっしゃ! いい晴天だ、空が日差しが気持ちいい」

 フェイルは思いっきり気伸びをした。アリファもヨシアも清々しいといった表情を見せる。ここから始まるのだ、大いなる旅立ちは。


 といっても、動いてしまえば何とない旅行と然程変わる事も無く、名残惜しくもヘネシスを旅立った後も、平坦な草原をただ突き進むだけであった。

 モンスターも気性が荒いもの以外は何という事をしなければ自分から襲ってくる事は少ない。旅はこと面白げも無く淡々と進行していた。



「暇だ」

 ヨシアが口元をダラリと開きながら言う。

「平和ってじゃない、いい事よ」

 アリファが正論を返す。


 問題無くリスへ向けての進行は進み、半分辺りに到達した所で事は発生した。他の街との分かれ道で、道が複雑化していく最中、最初に気づいたのはアリファだった。


「ねえねえ、あの大きな石像みたいなモンスターって何?」

 二人もそれを見て、フェイルを目を点にしていたが、ヨシアはそのモンスターを見てもの珍しげといった表情を浮かべていた。

「ありゃゴーレムだな。昔ここらに寺院があった頃、その警備をしていたモンスターだ。ここいらまでくるのは珍しい……が、何もしなけりゃ危害はくわえねえよ」


 ヨシアは物知り気に語ったが、フェイルはまだ残り不安要素をポツリと漏らす。

「って言ってもそのゴレーム、俺達の通り道にいるぞ?」

「大丈夫、隣通ってもぶつかったりしなけりゃ問題ないから」


 見兼ねたヨシアはいの一番に自分がゴーレムの横を素通りしていった。確かに人が一人通る程度の幅なんて余裕を持ってある。続いてアリファも横を素通りしていく。


「何だ、全然大丈夫じゃん。それじゃ俺も……あ、10メル!」

 フェイルもゴーレムの横を素通りしようとした時、地面に10メルが落ちているのを発見した。フェイルはそれを取ろうと頭からしゃがみ込むと、その時頭を何かに強く打ち付けた。

「痛っ! ……あ」



 その場にいた全員、顔面蒼白。フェイルが頭を打ち付けたその先にいたのは紛れもなくゴーレム。数秒の沈黙の後、ゴーレムの目が赤く灯り、その照準がフェイルに定まる。


「10メル如きで何やってんだお前ぇ!」

 ヨシアが叫んだ。フェイルは慌てて剣を抜く。ヨシアもホルスターから銃を取り出す。旅最初の戦闘は余り不祥事で余りに哀れな金欲による、王道的な展開だった。









世界広し、フェイルの器狭し。

次回、戦闘。刹那の展開を見逃すな。






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>紅蓮の双翼

頑張る! 小説読んでくれてるなんてサンキュー極まりない。
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