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アリファリング No.15 搭乗

2010年02月28日 23:46



 フェイル達は露店の立ち並ぶ街の商店街から少し離れた辺りに辿り着いた。
 そこは商店街とは少々異なり、その雰囲気はより冒険心のそそられるものだった。

 歩き行く人々はまさに今、飛行船に乗らんとするか、飛行船から降り立ったか。
 いずれにしても誰もが開放感に満ちたそれを見て、フェイル達もその調子に乗せられないはずもない。

 そう、もうここは飛行船乗り場を眼前に控えている、港部になる。


「早くチケットを買おう」

 フェイルはその中でも一番、場の空気に乗せられていた。目を冒険心に駆り立て、ギラギラと光らせている。
 今にも歩み出そうなその足は疼く事を止めないらしい。


「わかったわかった」

 その後ろをヨシアとアリファが着いて行く。
 全く心が湧き上がらなかったかと言えば、それは嘘になるが、フェイルを高いテンションを見ていると、それも消失する。

 二人がチケット売り場に着いた頃、フェイルは既に余裕を持ってそこにいた。
 ヨシアがもうチケットは買ったのかと尋ねると、フェイルは嫌に上唇を伸ばした。


「三人で27000メルだって。た、高いから……7割ぐらいだして」
「何が7割だ! そういう時は割り勘だろ馬鹿野郎」

 がめつさ全開のフェイルの対し、ヨシアは厳しく言葉を返した。
 フェイルは仕方ないといった様に、半分の13500メルを出した。アリファに渡した指輪代が響いているらしい。



「27000メルですね、どうも有難う御座いました」

 販売員のおじぎがなぜか嫌らしく見えてしまう。
 フェイルは先程までのテンションから一転、ヨシア達と変わらぬテンションに逆戻りしていた。


「いきましょ」

 アリファに呼ばれてフェイルは歩き出した。
 港口に大きな飛行船が控えている。この船に乗ってフェイル達はルディブリアムへと向かうのだ。


 船に乗る手前、ヨシアは歩きながらフェイルに疑問を問いかけた。

「フェイル、販売員はいつ頃到着予定だっていってた?」
「今が夕暮れ前の便になるから、船内で一泊になって到着は朝だろうって」

 ヨシアは納得した様に頷く。大体、想定していた到着と変わらなかったらしい。


「まあそんなもんだろ」
「明日……明日、私の中の悪心は……」

 アリファは少々重い顔で呟いた。それを見たヨシアは背中をポンと叩いて「大丈夫だ」と明るい表情を見せた。
 隣ではフェイルも手で握って、任せろ、と示している。アリファは安心感を得ると「そうね」と微笑んだ。


 船の前に着くと、乗組員らしき人物が立っていた。

「三名様ですね。チケットの提示をお願いします」

 フェイル達は順々がチケットを提示していくと、乗組員らしき人物は確認して船の中へと手で誘導する。
 誘導された先へと進んでいくと、とりあえずホールと思われる船内の広場に着いた。


「これでとりあえずは船内に着いたな」

 ヨシアはうんと気伸びをした。フェイルとアリファもその場で一息つく。

 子供と仲良く手を繋いでいる親子連れ、謎の見格好をした冒険家、ホールにいる人物は様々だった。
 フェイル達はとりあえず落ち着くと、三人部屋の鍵を貰いに、ホール端の受付所へと向かった。









搭乗完了。取り敢えずは、一息つけり。

次回、船上の一息。


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