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アリファリング No.17 Limit of answer

2010年03月03日 00:23


 
 それは余りに突然で、アリファの脳内から唐突に言葉を奪った。

 体をかき去って行く風さえも、今のアリファの昂りを抑える事は出来ない。
 心の臓が鼓動を早くしていく、気持ちを静めようとすればする程、心拍数の上昇を意識してしまう。


 確かに最初は恋愛感情というのには程遠いものであった。
 何というか、心の不安を和らげてくれるパートナー。故に、心の許せる人物。ただそれだけ。

 だが今は違う。最初に会った時とは決定的に違う何かが確かにある。
 フェイルが自分を好きだという確証をヨシアを通じて得た事は、その違いを更に加速させた。


 何なのだろうか? この感情は。好き? 或いはパートナーの域を単に一線超えただけの存在?
 誰かに教えて欲しい。この表現のしようが無い感情は何なのだ?

 理解の範疇を超えてやまないそれの答えを誰か……。


「わからない」

 苦悩の末に出したアリファの結論は、心の後ろから誘い来る逃げ道だった。
 ヨシアは現段階のアリファにとっては、その結論が精一杯なのだろうと悟った。
 
 今アリファが抱いているのは何という感情なのか? それは現時点では誰も知る事は出来ない。
 それはフェイルにとって幸の結果かも知れないし、不幸の結果かも知れない。
 
 だが、今言える事があるとすれば、アリファにとってフェイルは一線をがした存在。
 ヨシアはそれが知れただけでも十分だと判断したのだ。



「そうか。それならそれもまた、今における答えだ。焦る必要は無い。じっくりと見定めればそれで」
「うん……何だか本当の私に一歩近づけた気がする。ありがとうヨシア」
「いいってことよ」

 この時、ヨシアは絶対言う事が出来なかった。
 アリファが自分に好意を抱いていたという、奇跡とも言える超絶的な展開を期待していたという事等。

 無論、それがフェイル真意と照らし合わせるという事に対する、ほんの浅はかな副題であるという事は当然であるが。



「ま……まあ、フェイルも寝てる事だし、事のついでに今から船内のカフェでお茶でも。勿論、俺のおごりで……ってドワァ!?」

 ヨシアが浅はかな副題を膨らませようとしていると、事は突然に起こった。
 
 船体が激しく揺れたのだ。並々ならぬ衝撃が船体にはしる。何かと衝突した?
 ヨシアは飛行船では起こりえるはずも無いそれに疑問を抱きながら、バランスを崩したアリファを手で支えた。


「大丈夫か?」
「うん、ヨシアが支えてくれたお陰で」
「一体、船に何が起こったんだ? 尋常な揺れじゃなかったぞ?」

 ヨシアが呟いた刹那、乗組員の叫び声が聞こえた。必死に荒げながら状況の非常さを伝えているのがわかる。


「船体に大型飛行ユニットのモンスターが激突して来ました! 危険ですので皆さんはすみやかに船内へ避難を!」

 乗客は慌てふためきながら詰まった道をかけ、船内へと逃げ込んで行く。
 ヨシアは冷静になりながら、不安を抱くアリファの手を握ってやった。船内には逃げ込まない。


「私達も逃げましょ!」
「今、大型飛行ユニットのモンスターなんて乗組員が倒せるレベルじゃない。誰かが戦わないと船は墜落する」

 ヨシアが額に一粒、汗を滴りながら状況を説明した。
 その時、下からフェイルがヨシア達のいる上甲板の上へと上がってきた。
 ヨシアは握ってやっていたアリファの手をそっと離す。


「寝てたはずだろお前、俺達は只今デート中だ」
「あんだけ揺れりゃ起きるわ! それに何がデートだ、どうせお前がアリファを半ば強引に誘っただけだろ」
「強引にって失礼な言い方だな、デートはデートだ」
「もう、分かったから二人とも静かにして! それと私はヨシアとデートした覚えはないわ」

 二人の争論をアリファが止めた。
 渋々それを止めるフェイルに対し、ヨシアはアリファの一言に少し落ち込んでいる。

 場が一旦冷めていると、また荒げた乗組員の声が聞こえた。


「モンスターの詳細を確認した所、私達の撃退出来るレベルではないと判断したので、下手に刺激を与えずモンスターが船体から離れるのを待つ事にします。私達も避難しますので、皆さんも出来る限り船内の中心部へ避難して下さい!」

 それ以降、乗組員の声が聞こえる事は無かった。ヨシアがふっとため息をつく。


「それで船体を急襲したモンスターをやり過ごせるわけが無い。苦肉の策だな、墜落するのがオチだ」
「墜落って……なら、どうすればいいんだよ!?」

 慌てたフェイルの様子を見て、ヨシアは人差し指を一本突き出した。

「どうするかって? 簡単だ。俺達がそのモンスターを倒すしかないだろう」


 その直後、背後の船首から例の大型飛行ユニットのモンスターの影が現れた。
 フェイルとヨシアは即座に船首方向を振り向く、アリファにはそのフェイルの背中が今までより一段大きく見えた。

 今まで何度も信用させてくれたその大きな背中、それが今、また大きく。


「フェイル、準備はいいか? モンスターが現れるぞ!」
「当たり前だ! どんな奴でもかかってきやがれ!」









決まらぬ答え、だが今はそれで良しと、突如急襲!? その正体は?

次回、決戦始動! ようやく始まる戦闘描写の激化を見逃すな!





コメント返信


>ないとぎるさん

応援ありがとうございます! 数少ない応援が自分の糧ッス!

プロフィールはGTOという漫画の主人公「鬼塚 英吉」の画像ですね。

GTO大好きなんです、機会があったら是非! (何のお勧め紹介だこれ(笑)
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コメント

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    今度は完結しますよね…? 応援してます

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