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アリファリング No.18 万事休す

2010年03月05日 23:35

 

 身構えるフェイル達に対し、モンスターはその姿をあらわにした。
 
 それは顔つきこそゴリラに近い間の抜けた顔だが
 そのはちきれんばかりの肉体と大きな翼が大きなインパクトを醸し出している凶悪そうなモンスターであった。


「お、おい……あれはバルログじゃねえかよ」

 フェイルは単に凶悪そうだという印象を受けていたが、ヨシアは違った。
 顔には驚嘆の色が浮かんでおり、バルログと呼ばれたそれがいかに恐ろしいのかを物語っていた。


「ヨシア、そんなに強いのか? そのバルログってモンスターは」

 無関心な態度をとっているフェイルに、ヨシアはとんでもないと一喝入れた。


「強いなんてもんじゃない、地球防衛本部の凶悪手配に載っているモンスターだ。船上の悪魔と呼ばれていて、奴から襲撃を受けて生還した船は未だに無いという」

「おいおい、そりゃ強いなんてレベルじゃないだろ!?」
「そういう事だな、だから乗組員達は妥協したんだ。見逃して貰える奇跡を信じて」


 フェイルは思わず唾を飲んだ。バルログはこちらに気づいたようで、既に威嚇体制を取っている。
 その様を見て、フェイルはふっと笑みをこぼした。ヨシアはその意図が理解出来なかった。

「何笑ってんだ? 気でも狂ったか?」
「なわけないだろ。英雄っていうのはさ、いつでも無謀なんだよ」

 フェイルはディランの勇姿を胸に浮かべ、いよいよらしくなってきたと張り切っている。
 それを見てヨシアはため息をついた。


「これはお遊びじゃねえんだぞ、英雄ごっこは他所で……」
「英雄ごっこはもう終わった! これから俺がする事は英雄の偉業の1ページだ!」
「……ごっこは終わりか。乗ったぜその偉業! ただし主役はこの俺だ!」


 フェイルは威嚇しているバルログめがけて走った。
 ヨシアはアリファの前に立ち、護る体制で後方に構えた。

 威嚇しているバルログを見ながら、銃口に散弾を装填する。

「一丁喰らっとけ。インビジブルショット」


 勢いよく放たれた散弾はバルログにジャストミートした。
 たが、バルログは効いた様子を見せていない。どうやら分厚い皮膚が威力を無効化しているらしい。


「銃が効かなきゃ剣の出番だろ」

 フェイルは剣を縦に振込み、首筋に当てる。衝撃が散弾より断然高いだろう。
 が、しかしそれでもバルログに首筋には薄い切れ込みさえ出来なかった。余りに皮膚が硬質すぎるのだ。


「こうなりゃ剣技だ。ヨシア、煙幕を頼む」
「ガッテン!」

 ヨシアは素早く煙弾を装填する、それを即座に撃ち放つと、フェイルとバルログの周囲は煙に包まれ視界が閉ざされた。
 しかし知能の低いバルログに対し、フェイルはバルログの呼吸や影から場所を特定出来る。
 この時点でフェイルの有利は確定していた。



「シュレンベルクの聖戦よ。パワーストライク」

 聖なる光を宿した強撃がバルログの腹部に襲い掛かる。
 尚且つ、フェイルはバルログの隙をついた間に技の固有詠唱を唱え、技の威力を倍増させている。

 技にはそれぞれ固有の詠唱が存在し、大技程詠唱も長い。
 しかし、詠唱を唱える事で技の威力は倍増し、より大きなダメージを与える事が出来るのだ。


 技の衝撃音がヨシアとアリファのいる所まで伝わってくる。
 これなら手傷ぐらい負わせただろう。そうヨシアが油断がしたその時だった。

 バルログの口部からフェイル目掛けて火球が放たれたのだ。
 その衝撃で煙が消滅していく最中、ヨシアはフェイルの安否を心配した。

 が、フェイルはバルログが攻撃してくる事を察知していたのか、それを何とか回避していた。


「よく火球が飛んでくるなんて察知出来たな」

 ヨシアが感心した様に呟くと、対してフェイルはヨシアの方を見ながら、動揺の色彩を表情に浮かべていた。
 回避したのにこの表情。ヨシアは疑問を抱いたが、それは直ぐ晴れた。同時にヨシアの表情にも動揺が現れる。


「俺の詠唱付加したパワーストライクでさえ、かすり傷が出来る程度なんて……」

 煙が完全に消滅すると、バルログは余裕の笑みを浮かべていた。一方フェイルは憔悴している。
 腹部に当てた渾身の一撃でさえ、バルログの肉体にはかすり傷を作るので精一杯だったのだ。

 先刻戦ったゴーレムと同等……いや、それ以上の防御力。
 それに加え素早い動きに攻撃。これが凶悪手配クラスのモンスター。


「ゴーレムと違って素早いから目も狙えない。困ったなこりゃ」

 ヨシアも完全にお手上げだった。フェイル以上の攻撃力はヨシアには無い。
 広がる絶望。アリファも有効な攻撃手段を失った二人に希望を見出す事はままならなかった。

 よぎる不安、安直すぎた挑戦は本当の無謀だったのだろうか?


 万事休す。









英雄の偉業は此処から!……幸先絶望?

次回、あがくフェイル達、活路を切り開け。


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コメント返信


>名無しさんへ

これは……あさぎさんのコメントかな? 分からないので特定してはコメントしませんが。

今回こそは頑張って完結させます。モバゲーで小説力を上げての復帰なので!

まあ、実の話、構想予定では100話超えちゃいそうなんですけどね (でもコツコツ頑張ります
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