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アリファリング No.21 Checkmate

2010年03月12日 00:31


 
 勢いを見せるフェイルに不穏を感じたのか、バルログは途端に荒げて爪を振り回した。
 しかしフェイルは怒りつつも冷静さを保ち、縦横無尽に飛んでくるバルログの攻撃を剣で受け止めた。


「そう慌てるなって……コンボアタック」

 フェイルが呪文を唱えると、背後に魔法陣が浮かび上がる。その紋様、五つ。
 紋様はそのままフェイルの背後をゆるりと回転し続け、何か不気味なものを醸し出している。

「この紋様はな、それまでに自分が当てた攻撃の数だけカウントされているんだ。ちなみに上限値は5カウント」

 フェイルは受け止めていた剣を振り上げて、バルログの両腕を振り上げさせた。


「そしてこの紋様を消費する事によってフィニッシュアタックを発動する事が出来るんだ。ちなみに当然の話だが、紋様の数が多ければ多いほどフィニッシュアタックの威力は倍増する」

 フェイルはあいたバルログの腹部を狙う。が、それに気づいたバルログは咄嗟に足で応戦した。
 フェイルはそれを剣で流すと、惜しいと舌打ちした。

 バルログは未だかつて無い、異様ともいえる不安を本能で感じていた。

 これまでの戦いで自分がこれ程不安感を抱いた事もないし、今回もしかりだ。
 現時点までは明らかに自分の優勢で進んでいた。
 しかしどうだ、ヨシアに皮膚を焼かれてから戦況は一変している。状況が自分が有利なはずなのに。

 背中に浮かぶ紋様、フィニッシュアタックの存在。それ等がバルログの額にとめどなく汗を滲ませていた。



 暫し均衡が続いたが、バルログがそれに耐えられず勝負を仕掛けた。
 左爪をフェイル目掛けて根限りに振る。が、フェイルはそれを読み剣でいなした。

 が、バルログのその刹那、今度は右爪を振り下ろした。フェイルのそれを読んでいたのだ。

「この戦いの最中に読みを覚えたか。だが……!」

 フェイルはその右爪をハイキックで弾いたのだ。無論爪ではなく、腕を蹴ったのだ。
 いなすまではいかずとも、それで十分軌道を変える事は出来る。想定外の事にバルログは対処を失った。


「終わりだバルログ。お前の敗因はヨシアに炎弾を対処出来なかった事だ!フィニッシュアタック パニック!」

 背中の紋様が一つとなり、巨大な六芒星の紋様へと変わる。
 その力はフェイルの剣へと伝導し、フェイルがバルログの腹に一薙ぎ入れると
 バルログの腹部は龍をも切り刻まん様な大剣の一薙ぎの如く裂けた。

 詠唱破棄で尚この威力。流石に最大コンボカウントでのフィニッシュアタックは並の技とは一味違うものがあった。



 バルログは悲痛の叫び声をあげた。
 その場で倒れないまでも、暴れ狂っている。腹の傷が完全に背中まで貫通しているのが見えた。
 筋繊維から臓器まで薙ぎられ、その傷口は綺麗に両断されている。
 体の左半分が薙ぎられ、バルログの体は残り右半分で支えられている状態だった。かろうじて脊髄に損傷は無いらしい。


 が、それと同時にフェイルも危険に立たされる。

 倒れろ、起き上がって来るな。
 最早今後の手立て等もなく、先刻からくらっている腹部の出血は止まっていない。
 目が霞みを覚え始めている故、これ以上の長期戦は明らかにこちら側の不利を示す。

 フェイルは一縷の望みをかけてアリファの方を見たが、やはりヒールはまだ完了していなかった。
 もう少しといった所だが、ヨシアが戦線に復帰するには……。
 頼む、そのまま沈んでくれ。


 そう切に願うフェイルだったが、現実は悪魔を味方した。
 限界だと思われたバルログだったが、血管が自然止血され始め、筋繊維が自己再生を始めている。
 何という回復力だろうか。フィニッシュアタックで後一歩まで削ったにも関わらず、今勝機は絶たれようとしている。

 フィニッシュアタックを宣言する前とは立場が逆転し、呼吸を荒げるフェイル。
 アリファも焦り、ヒールを懸命にかけるがヨシア復活には未だ時間が足りない。

 バルログの不敵な笑みが、フェイル達の敗北心を強く煽った。









勝利を背に向けられた敗北。盤面は詰まれた。

次回、詰んだ盤面、ルールに縛られるな!


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コメント

  1. りの | URL | -

    そろそろバルログ戦も終わりか~盛り上がってきて読むのが楽しみです!

    「checkmate」ですよ。

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