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アリファリング No.24 今宵は宴だ

2010年03月16日 22:26



「それじゃあ、事も終わったし。船内放送が流れる前に船内に戻るか」

 ヨシアを筆頭にフェイル達が船内へ戻ろうとしていると、それをリツカが止めた。

「ちょっと待って。聞きたい事があるの」
「何だ、ボインの事なら遠慮させてくれ。これ以上俺の株が落ちると出番が減る」
「ボインのくだりは作者が今更後悔してるからもういいわ。私が聞きたいのはあなた達が何を目的に旅をしているのか」

 リツカの目は真剣そのものだった。それを察してフェイルが会話に割り込む。

「何だそんな事を聞きたいんだ?」
「私自身、冒険家をやっているけど、今現在は目的がないの。だからあなた達の旅に何か目的があるのなら、同行させてほしくて」

 フェイルは顔をしかめた。自分だけでは判断しかねる事だと、アリファとヨシアに相談する。
 結局出された結論は、今回の事を考えても残りの旅路は少ないが仲間を増やすべき。という結論だった。
 フェイルがその趣をリツカに伝える。

「わかった。それなら詳しい話は俺達の船室で説明する。とりあえずついて来てくれ」


 リツカを連れてフェイル達が自室に向かっていると、船内放送が流れた。
 被害無く事が収まった事を知ると、乗客達は安心と確認の意で上甲板に上がっていく。
 フェイル達の様に、今まさに自室に戻る客はさぞ珍しいだろう。

 フェイル達はとりあえず自室につくと、力を抜けた様に各々ベッドに倒れこんだ。リツカだけはその場で腰を下ろしている。


「ごめんなさい、他人の部屋でこんな脱力しちゃって」
「いや、バルログとの戦いがあったんじゃ無理もないよ。俺だってこうしてベッドに倒れずにはいられなかった」

 フェイルは脱力した体に力を入れて、座る体制にシフトした。アリファやヨシアもそれに続く。
 フェイルが振り向くと、二人はコクリと頷いた。

「じゃあ話をするよ。最初に言っておくけど、俺達の目的は生半可なものじゃない」
「勿論。そんな軽い目的だと察していれば、あなた達に同行したいなんて言わないわ」

 リツカがしかと目的の重さを感じているのを確認すると、フェイルは自分達の目的を話した。
 事は細部まで細かく。アリファとの出会いから始まり今の経緯まで。話終えた頃には時は夜を刻んでいた。



「……という事だ」
「この世界にそんな万象が起こっていたなんて。アリファという存在が悪心の結晶だなんて」
「とっくに浮世離れしてる。それを信じるかなんてのはリツカ次第さ」

 熟考するリツカをアリファは何とも言えない眼差しで見つめていた。
 ヨシアは首の骨をならすと、付け足す様にに呟く。

「まあ、こんな時代にそんな上手い話がある方が可笑しい。実際アリファは相当なベッピンだし、どこの幻想物語だっつう話だ。だが俺は信じたぜ。少なくともこいつ等の目は本当だったからな」

 ヨシアは両腕の指でフェイルとアリファを示した。
 そのまま両腕をあげて気伸びをしながら欠伸をする。潤う瞳で見るリツカは、既に決断している様だった。


「そうね……私もその話、信じるわ。だから一緒に連れて行って」
「もちろんだ! そしたら俺達はもう仲間だな」

 フェイルは笑みを浮かべた。リツカを微笑み返す。
 ルディブリアム至災の間を目前にして、協力な仲間が加わった。

「仲間か、そしたら改めて自己紹介するわ。短剣使いのリツカ=イタチよ。よろしく」
「こちらこそ。俺は銃使いのヨシア=ロダンだ。よろしく頼むぜリツカ=イタチ」

 リツカ=イタチと呼んだヨシアに本当の信頼感をリツカは覚えた。
 ただボインがイタチに変わっただけの話だが、それが何故か自分を仲間と認められた安心感にも感じた。

「俺は剣使いのフェイル=ディアン。夢は英雄、よろしく!」
「私は聖魔法使い……と言ってもヒールしか使えないけど、アリファ=ベルモンド。私の為にありがとう。そしてよろしく」

 
 フェイル達は新たな仲間の祝福に大いに盛り上がった。

「こうなりゃ今日は宴だ。酒注文すっぞ、酒!」

 フェイルは勢いよく室内に設置された飲食注文ボタンを押した。

「おい、俺達はまだ未成年だろ!?」
「あら、私は丁度二十歳だからお酒は飲めるのよ?」
「成年? 未成年? 気にすんな! 俺達はあのバルログを倒したんだ!」
「ねえねえ、お酒って美味しいの?」
「美味いしおまけに気分がスカッとすっぞ!」


 今宵は楽しい宴。未成年なんて気にするな。
 
 フェイル達が至福の一夜を過ごしたのは言うまでもない。
 また、初めて酒を飲むアリファが予想外の酒乱を起こしたのも言うまでもない。
 楽しい一夜に浮かれ騒ぎ、いつやら自然と眠りに着く。
 飛行船の飛行音が静かに鳴り響く内、気づくと朝は訪れてくる。空はもう、明るんでいる。









楽しい宴は早々と時を刻み行き、朝を告げる。

次回、ルディブリアム到着。


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