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アリファリング No.25 ルディブリアム

2010年03月20日 12:01



「皆様おはようございます。ルディブリアム到着まで一時間を切りました。下船の支度を宜しくお願い致します」

 船内放送によって目を覚ましたのはリツカだった。
 宴に浮かれてどうやら寝過ぎていたらしい。リツカが辺りを見回すと、他は皆未だに眠りこけていた。

 リツカが慌てて三人を起こすが、三人はまだ寝ぼけきっている。
 業を煮やしてもう時間が無い事を叫ぶと、三人はとんで起き上がった。


 とりあえず空腹で……というわけにもいかず、飲食注文ボタンで朝食を注文し、その間に身支度を整える。
 朝食を急いでがっつくと、歯を丁寧に磨いて今日の準備を万全にした。

 到着も大分迫り、フェイル達は自室を出た。
 ホールに向かう最中、フェイルは未だ眠たそうに髪を掻き毟ると、一発根入れに頬を叩いた。


「宴もあって余り雰囲気は出てないけど、今日でこの旅もクライマックスなんだよな」

 アリファは息をのんで神妙な顔を浮かべていた。自分の中に有る悪心がまさに今日、時空の歪に葬られる。
 フェイル出会ってたったの二日。事は面白い程に順調に進んでいた。それが逆にアリファの不安を押し上げる。


「これ以上、何も起こらないかしら」
「心配すんな」

 ヨシアはアリファの耳元に息を吹き掛けた。アリファはぞっとしたように肩を竦み上げる。

「何も起こらないっては断言出来ないが、お前は特等席で見たろ? 俺達のバルログと戦う様を」
「私がいなきゃ、多分負けてたけどね」
「うるせえボインリツカ! とりあえずよ、安心しろってこった」

 心が平常を崩しそうになった時、幾度と無く支えてくれた仲間。
 フェイル、ヨシアに新たなに加わったリツカ。彼、彼女等をなくして今の自分はあり得ない。

 安心させようと微笑むフェイル達に、アリファは同様の微笑みを返した。



 ホールに着くと、既にそこは乗客で溢れかえっていた。ヨシアが受付に鍵を返しに行く。
 受付は丁重に礼をすると、ヨシアから鍵を受け取った。戻ってきたヨシアは何故か血相を変えている。

「どうしたヨシア?」

 フェイルが困惑した様に尋ねると、ヨシアは唾を飲んで答えた。

「受付の姉ちゃんが昨日と違った」
「それがどうかしたのか?」
「それがよ……すげえ美人だったんだ」


 全く興味が無いように、フェイルはそこで会話を切った。

「ちょ、本当に美人だったんだって……」
「皆様、長らくの乗船お疲れ様でした。ルディブリアムに到着致しましので、乗組員の指示の下、下船をお願いします」

 ヨシアの会話を割るように船内放送がなると、乗組員がホールから下船を指示した。
 フェイル達は話を続けようとするヨシアを放って指示通り下船しようとしている。
 ヨシアは目頭に涙を浮かべながら断念し、渋々後ろに着いていった。

 フェイル達が下船すると、そこには搭乗した時のリスとは全く異なる光景が広がっていた。



「すげえ」

 フェイルが思わず声を漏らしたその先に広がっていたのは、時空の管轄を行う街、という固いイメージを一瞬で払拭するレゴブロックで構成されたメルヘンでおもちゃチックな街並みだった。
 他の皆も、童心をくすぐられる様に、その光景にわき立っていた。

 ヨシアがいの一番に感想を語る。


「俺はてっきりルディブリアムってのは、もっと重苦しい様な街だと思ってたぜ」
「私もそんな感じだと思ってた。まさかこんなメルヘンチックな街だなんて」

 アリファも驚いた態でいる中、リツカだけはわき立ってはいるものの、驚いてはいない様子だった。

「私はここに冒険で何回か来た事があるから。それでも童心をくすぐられる事に変わりはないけど」
「来た事あるんだ! それならエオス塔の100階にある至災の間もわかる?」

 フェイルが尋ねると、リツカは容易く答えた。

「その至災の間ってのまではわからないけど、エオス塔の場所ならわかるわ。名の知れた塔だし」
「そっか、それならエオス塔を探す手間が省けた」
「省けたも何も、街の左右端に二つの大きな塔が見えてるでしょ? あれの左手がエオス塔、右手がヘリオス塔よ」

 三人が左右を見ると、確かに街の両端に、街を支える様に大きな塔が二つそびえていた。


「何だ、あの左手に見える大きな塔がエオス塔だったんだ」

 フェイルが恥ずかしそうに右手を頬にそえると、リツカはくすりと笑った。
 アリファもヨシアも知らなかったらしく、それを苦笑いで見つめながらも、頬を赤らめていた。

 しかし、メルヘンチックな街並みに気分こそ踊らされているが、いよいよ本腰を入れねばならない。
 フェイルは太ももを二回程叩くと、すっと背筋を伸ばした。

「それじゃあ行こう、エオス塔100階至災の間へ」









一同、意思を胸に目指すは最終地点、至災の間!

次回、エオス塔へ向かう道中で……?


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