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アリファリング No.26 時計台

2010年03月23日 18:37



 勇み良い足取りで船乗り場を離れたフェイル達は、町の中心部を歩いていた。
 武器屋、防具屋、薬屋。あらかた揃った街並みを抜けていくと、一際住人が集まっている所があった。

 フェイルが上を見上げると、そこには大きな時計台がそびえ立っている。

「大きな時計台だな」

 感心した様を見せていると、リツカが物知り気に豪語した。

「その時計台はルディブリアムのシンボルみたいなものらしいわよ。それと同時に大きな謎もあるらしいけど」
「どういう事だ?」

 ヨシアが話に食いつくと、リツカはペダンティックに語りを続ける。

「この時計台の深部は時空間が密接に関係しているらしくて、その系列のモンスターも多く出没しているらしいの」
「だけど、その出現下が解明されていないと」
「そういうこと」


 そんな謎多き場所というリアルとは相対して、集まっている住人達は皆、ごく日常的な表情を浮かべている。
 こんな近くに世界が翻るやも知れない謎が眠っているかも知れないのに、人は余りに悠長なものだ。

 自分という存在が既に謎で満ちているアリファにとって
 それに触れようとしないここの住民には、自己的に腑に落ちないものがあった。


「何で皆、時計台しか見ようとしないんだろう」

 アリファがぽつりと呟いた言葉にフェイルが反応した。

「それは恐れているからだよ。中身が分からない蓋を開ける事に」
「そう……ね」

 アリファは半分納得出来ない様に頷く。フェイル達は時計台を後にしていった。



 それから暫く歩いていると、中心部からは少し外れてきたらしく住宅街に辿り着いた。
 大分エオス塔が近くに見えてくると、リツカが呟く。

「この住宅街を過ぎればエオス塔ね」

 一同に安堵の表情が浮かぶ。しかしフェイルだけはため息をつきた気にしていた。

「考えてもみなよ、何気にここからエオス塔までまだ結構あるじゃないか」

 今度は一同に不穏の表情が浮かぶ。しかしそれを更にリツカが返した。

「大丈夫よ。確かにこの住宅街は長いわ、だけどその為の工夫はされてるから」

 リツカは辺りをうろうろと見回すと、色の違うブロックの床を見つけて指差した。
 ブロックは丁度、人一人が納まる程度に大きさである。


「フェイル、この色違いのブロックに乗って目を瞑ってみて」

 何が起こるのかを聞くフェイルを押し切りながら、リツカはフェイルを色違いのブロックに乗せた。
 フェイルは腑に落ちないまま、仕方なく目を閉じると、何かに体を包まれる感覚に襲われた。

 慌ててフェイルが目を開くと、そこにリツカ達の姿は無かった。
 驚嘆してその場を必死にうろうろしていると、透明色に近いオーラの様な何かを纏いながら、リツカは目の前に突如現れた。


「え? は?」

 何が起こったのか理解しきれていないフェイルに、リツカは呆れ顔を見せる。

「動揺し過ぎよ、よく辺りを見なさい」

 そう言われて辺りをよく見渡すと、大分遠くの所でアリファとヨシアらしき人物が手を振っていた。
 フェイルがぽかんとしている内に、今度はアリファが色違いのブロックに乗って目を瞑ると、アリファが眼前に現れた。
 ヨシアも同じくしてフェイル達の下に来ると、リツカはフェイルに問いた。


「流石にもうわかったでしょ」
「ワープ?」
「そう、正確には時空変化移動だけどね。色違いのブロック乗って目を瞑ると、ブロックに内臓されたシステムが作動して時空間が四次元に変化するのよ。詳しい仕組みはわからないけど、それで瞬間的な移動が可能になるみたい」

 リツカは色違いのブロックを足で示すと説明を続ける。

「そしてこの瞬間移動の範囲は約100m程度。色違いのブロック間の移動が可能で100mおきに設置されているわ」
「要するに、これを使えば住宅街を抜けるのなんてすぐってわけか」


 フェイルが勢いよく声を上げると、リツカは合わせて頷いた。
 残りの道をそれで移動すると、長いはずの住宅街は最早端が見えてきている。

「さあ、エオス塔までもうすぐよ」

 リツカが勇んで進んでいる傍ら、フェイルの表情は次第淀んでいた。
 ヨシアがそれを不安気に見つめていたその時、業を煮やしたフェイルは決心した様にアリファの手を握って立ち止まった。

「どうしたの?」
「ごめん、ちょっと待ってて!」

 そう叫んでフェイルはアリファの手を引っ張り、住宅街の中へと入り込んでいった。
 リツカはそれを止めようとしたが、ヨシアがそれを制した。


「どうして止めたの!?」

 急な事態に喚くリツカの肩にヨシアは手を乗せた。

「あいつ等は少し特別なんだよ」


 一方、人ごみの少ない住宅街の隙間に連れ込まれたアリファは動揺していた。

「な、何でこんな所に連れ込んだの?」

 俯いて黙りこむフェイルの肩をアリファが揺らす。

「どうして? ねえ、答えてよ」

 その刹那、フェイルはアリファの背中に手をやると、アリファを感情的に抱きしめた。
 突如起こった事に、アリファは目を丸くする。



続く





何か今話は上手く書けなかった (汗)
次の話は重要だし温泉行ってきて気持ち入れ替えてくる!

次回、フェイルが起こした謎の行動に何の意が?


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