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アリファリング No.2 Rainbow road

2010年02月14日 00:40



 ただ純心に続けた黙祷。フェイルはまぶたを開くと、何を発する事も無く静かに立ち上がり、壁に立て掛けられた剣を手に取った。

 その剣を深く寛大な心と共に握り締めると、フェイルはようやく声を発する。


「父さんが築き上げた時代、25年の安穏でようやく幸せを掴み始めた人々、何も起こらないように……俺は幸せだけを願うよ」


 フェイルは途端にパンと大きな拍手を鳴らすと、暗かった空気を一気に切り替えた。時代は繋がった、これからは自身が意識を持って生きていくべき時代だ。

 いつまでも暗く等なってはいられない。



「さて、薪が切れてたから収集してこよっと。普通の木からか、スタンプからか……どっちでもいいか」


 そう言ってフェイルは剣を背中に据えた。今は戦争の時代ではないが剣ぐらい担ぐ。それは未来へと繋ぐ自らの背負い物だ。それに剣があれば何かと便利である。今からの薪収集にだって剣は欠かせない。


 フェイルは大きな欠伸をすると、滲んだ涙を拭いながら家から出た。



「さてと、薪を効率よく収集する為にはちょっと奥地に入らないとな」


 フェイルは家の裏に回ると、そこから木々を掻き分け奥に入っていく。奥地程、悠々と育った大木がよく育つ。

 その上、フェイルの背負う剣はその形容にも関わらず斧と同様の使い方が出来るし、刃こぼれも起こさない。流石は英雄の手にした伝説の剣というところか。


 モンスター達はフェイルの存在を察知してその場を離れているのか中々出現しない。フェイルが仕方なしにズンズンと奥地に進んでいると、視界に虹色の何かが映った。



「何だ? 虹色の蝶?」


 それは世にも珍しき虹色の羽を持つ蝶だった。羽から舞い落とす粉にもその色素があるのか、その蝶が飛ぶ姿はまさしく虹の通り道。

 フェイルは迷う事なくその蝶に惹かれて追いかけた。少年時代の淀みなきあの頃を思い出すかの様に。



「虹色の蝶なんて激レアじゃないのか!? 少年心をくすぐられるぜ……ウワッ!?」


 虹色の蝶を無我夢中で追いかける最中、どこかもわからなくなった様な所でフェイルは突然足を取られた。元々穴であった場所が草地等に埋もれて隠れていたのだ。完全なる油断。

 しかも穴はただの穴ではないらしくフェイルは滑り台を滑るように穴のトンネルを滑っていった。


 中々な時間を滑っていると、突如穴は終わりを迎え、フェイルは到着地点にしりもちを着いた。



「イテテ、完全に不覚だった。虹色の蝶も見失ったし踏んだり蹴ったりだな……ん?」


 フェイルの心は一瞬にして前後撤回の心境に満ちた。穴の先にあったのは、ここはヘネシスかという程の樹木が生い茂り、複雑な日光の漏れ方からか全体が青緑に鈍く輝く景色。

 まさに自然の宝石箱と形容すべき神秘の空間。


「すごい……!?」


 フェイルは驚愕した。神秘の空間の中央にある透明色の甘美たる泉、その端の地に、深々としたアクリマリンの様な輝きを放つ大きな結晶をあった。だがフェイルが驚愕した理由はそこには無い。その理由は……。



「結晶の中に、人が眠っている!?」









時は新を迎え、急激に加速する。

次回、目覚めは何を生む?ヒカリかヤミか。


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